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柊サナカさん「谷中レトロカメラ店の謎日和」 [本☆]


谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

谷中レトロカメラ店の謎日和 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 柊 サナカ
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2015/09/04
  • メディア: 文庫



下町 谷中にあるフィルムカメラ専門店を舞台にした「日常の謎」系ミステリです。

「開かずの箱の暗号」「暗い部屋で少年はひとり」「小さなカメラを持った猫」「タイムカプセルをひらくと」「紫のカエル強盗団」「恋する双子のステレオカメラ」「あなたを忘れるその日まで」の7編が収められています。

東京下町の風情残る谷中にたたずむレトロカメラ店・今宮写真機店。中古のクラシックカメラを専門に扱っている三代目店主の今宮龍一とアルバイト山之内来夏の元には、さまざまな客が謎を運んでくる。カメラの修理も得意とする今宮は「修理の基本は観察です」と言い、鋭い観察力と推理力で次々と謎を解いていく―。数々の魅力的な名機とカメラを愛する人々が織り成す、心温まる連作ミステリー。
(「BOOK」データベースより)

主人公の名前が来夏(らいか)ってどうよ、と最初に思ってしまいました。
探偵役の龍一がカメラオタクってのもテンプレート通りな気がしました。まあ、修理もこなすクラシックカメラ専門店なら仕方ないかとも思いますが。

カメラの知識がないと謎解きができないという点ではフェアではないと感じました。
逆に、「写ればいい」とおもっている人間にはクラシックカメラの奥深さや蘊蓄は新鮮でもありました。

残念ながら、谷中のよさがあまり出ていないと思いました。

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太田忠司さん「名古屋駅西喫茶ユトリロ」 [本☆]


名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)

名古屋駅西 喫茶ユトリロ (ハルキ文庫)

  • 作者: 太田 忠司
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2016/12/13
  • メディア: 文庫



名古屋メシに愛着がないと盛り上がらないだろうな。

「手羽先唐揚げと奇妙なイタズラ」「カレーうどんとおかしなアフロ」「海老フライと弱気な泥棒」「寿がきやラーメンと家族の思い出」「鬼まんじゅうと縁結びの神」「味噌おでんとユトリロが似合う店」の6編が収められています。

東京生まれの鏡味龍は名古屋大医学部に今春から通う大学生。喫茶店を営む祖父母宅に下宿した龍は、店の常連客から、家にピンポンダッシュをされ、外に出ると家の前に手羽先の骨が置かれ困っていると相談を受ける。龍は友人と先輩の助けを借りて、謎に挑む。手羽先唐揚げ、寿がき屋ラーメン、味噌おでん……名古屋めしの魅力が満載の連作ミステリー。書き下ろし!
(出版社HPより)

祖父母が経営する「喫茶ユトリロ」が舞台です。自宅兼店舗に居候する孫の鏡味龍の視点で物語が語られます。
喫茶店の常連客や、龍の友人が持ち込む謎を解く「日常の謎」系作品です。

残念ながらミステリとしては「?」です。トリックや動機があっさり見通せてしまいます。

見どころは大学の先輩である明壁麻衣が龍を名古屋メシに案内するくだりです。
ガイドブックのように「名店」が登場し、そこから謎を解く鍵が明壁麻衣から龍に与えられます。
いつか行くために店名をメモしてしまいました ^^;

鬼まんじゅうって名古屋名物だったんですね。スーパーとかで見かけると、つい買ってしまうのはDNAに組み込まれているんでしょうか。

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東川篤哉さん「ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1」 [本☆]


ライオンの棲む街  平塚おんな探偵の事件簿1 (祥伝社文庫)

ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1 (祥伝社文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/09/14
  • メディア: 文庫



東川さんの新シリーズです。
平塚市民が読んだら怒るだろうなー。

「女探偵は眠らない」「彼女の爪痕のバラード」「ひらつか七夕まつりの犯罪」「不在証明は鏡の中」「女探偵の密室と友情」の5編が収録されています。

都会で夢破れ、故郷・平塚(ひらつか)に帰ってきた元OLの川島美伽(かわしまみか)は、高校時代の旧友・生野(しょうの)エルザと再会する。“雌(メス)ライオン”の異名を持つエルザは、地元の刑事も一目置く名(?)探偵に成長していた……! 強引に助手にされた美伽はエルザと共に、厄介(やっかい)な依頼人が持ち込む奇妙な事件の調査を始める。海と祭りの街を舞台に、最強の美女探偵コンビの名探偵が炸裂する本格ミステリー誕生!
(出版社HPより)

ユーモア色もミステリ度合もキャラクターのおバカ度もなにか物足りないです。
ネタの使い回し感があるというか、読んでいて既視感のようなものを何度か覚えました。

平塚ネタなど地元の人たちは喰いつくところはありますが、それ以上に「ツカみ」の自虐ネタが多くて、そこはどうなんですかね。

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大倉崇裕さん「問題物件」 [本☆]


問題物件 (光文社文庫)

問題物件 (光文社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/07/12
  • メディア: 文庫



傍若無人で荒唐無稽なヒーローが大暴れするミステリです。
でも、読者は置き去りにされてる気がします。

「居座られた部屋」「借りると必ず死ぬ部屋」「ゴミだらけの部屋」「騒がしい部屋」「誰もいない部屋」の5編が収められています。

大島不動産販売前社長の遺児で、難病に苦しむ大島雅弘の世話係を務めていた若宮恵美子は、派閥争いのあおりを受け、新設部署への異動を命じられた。雅弘をトップに、3名だけでクレーム対応をする部署らしい。現社長の高丸は、反高丸派の旗頭である雅弘に無理難題を押しつけ、責任を取らせて追い出したいのだ――。次から次へと問題物件を押しつけられ途方に暮れる恵美子の前に、「探偵」を名乗る奇妙な男が現れて……。
(出版社HPより)

不動産に絡む問題物件のバリエーションとそこに仕掛けられたトリックと、ミステリとしては面白くて、さすが大倉さんと思ったのですが、いかんせん探偵の犬頭光太郎が強引で斟酌なく強すぎます。それもそのはず、病気療養中の御曹司 大島雅弘が大事にしている犬のぬいぐるみなんですから。

犬頭光太郎と若宮恵美子の微妙に噛み合わない会話は「警視庁いきもの係」シリーズに通じるおかしさがあって読みやすいです。

なぜぬいぐるみが超能力を得て、人間を凌駕するスーパーヒーローになったかは謎なので、続編で明らかにされるのでしょうか。

ただ、圧倒的すぎる展開と結末はカタルシスもなく途中で飽きてしまいました。。。

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三崎亜記さん「玉磨き」 [本☆]


玉磨き (幻冬舎文庫)

玉磨き (幻冬舎文庫)

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: 文庫



ルポライターがまとめた過去のルポという切り口、しかも巻末には参考文献まで付いているという念の入れようですが、愉しむまではいきませんでした。

「玉磨き」「只見通観株式会社」「古川世代」「ガミ追い」「分業」「新坂町商店街組合」の6編が収録されています。

集落に伝わる伝統産業「玉磨き」の唯一の担い手である高橋家。通勤用観覧車の企画設計から設置運行までを請け負う只見通観株式会社。「古川姓」の人間の優秀さに牽引されているとされた、古川世代ブーム。不安や不調を呼び起こす「ガミ」を捕える「ガミ追い」の現場。ひたすら一人で部品だけを作り続け、完成形を見ることのない分業体制。水底に沈んだ町で、たった一人、商店街組合を守り続ける男。いつか失われ、忘れられる存在の「わたし」たち。それでも、それぞれの、ささやかな人生の日々は続く。失われるために記録される6つの仕事、6つの人生。
(「BOOK」データベースより)

空想世界の想像もしなかった出来事に主人公が巻き込まれるというこれまでの形式からすると、今回の作品は出来事の有様や結末が語り手にはわかっているために物語上の「驚き」がないのでインパクトが薄いように感じました。

ルポタージュという形式のためか、作者の意図なのか、悪い言い方をすれば説教臭い結末になっていることも読後感を味わえなかった理由かもしれません。

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恩田陸さん「雪月花黙示録」 [本☆]


雪月花黙示録 (角川文庫)

雪月花黙示録 (角川文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 文庫



角川と恩田陸さんがドッキング!予想通りの結末でした(^^;

「春爛漫桃色告」「水澄金魚地獄」「夏鑑黄金泡雨」「冥府牡丹灯籠」「重陽節妖降臨」「鯱髪盛双児麵」「幻影払暁縁起」の7編が収録されています。

近未来の日本は、大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分されていた。そんな中、ミヤコの生徒会長選挙が行われる。美青年剣士の紫風が連続当選確実とみられていたが、選挙演説の最中、謎の飛行物体が飛来。会場を大混乱に陥れた。そこに現れたのは、ミヤコ民でも帝国主義者でもない第三の勢力「伝道者」を名乗る者だった――。白刃VSハイテクロボット、大和文化VS超物質文明。日本の未来を占う戦いが幕を開けた!
(出版社HPより)

過去の作品でもサブカルの知識が尋常ではなかったので、こういう物語はお手の物なんでしょうね。
ただ、パラレルワールドものなんでしょうが、詳しい説明が省かれているので非常に気持ちが悪いです。

キャラクターが揃って美男美女というのも、なんだかなー。
また、科学技術が発達しているのに、銃ではなく剣というのが違和感あります。
ゲームの原作とかいうなら別ですが。。。

更にいえば、「塔の老人」のわざとらしい口調がひっかかる。スピード感のある物語展開に棹をさすように感じました。


「及川●博」さんを模したと思われるキャラクターには正直笑いました。ヒラヒラの服を着て亀型の小型の円盤に乗って現れたり、常に背中にバラを背負っていたり、本家を超越してるって。

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鯨統一郎さん「江古田ワルツ-喫茶<ひとつぶの涙>事件簿」 [本☆]


江古田ワルツ - 喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿 (中公文庫)

江古田ワルツ - 喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿 (中公文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/12/19
  • メディア: 文庫



う~ん、外れかも。。。。

「星影のワルツ」「子犬のワルツ」「乙女のワルツ」「うぬぼれワルツ」「スケーターズ・ワルツ」「別れのワルツ」の6編が収められています。

江古田にある日本茶専門喫茶店“ひとつぶの涙”には、今日もご近所さんが集まってくる。常連客の持ち込む話や、ふらりと立ち寄った一見さんの抱える悩みを、年齢不詳、自称・元サイコセラピストで元警視庁プロファイラーの“ママ”が鮮やかに解決する。クスリと笑えて心温まるエピソードで綴る全六話。
(「BOOK」データベースより)

なんかどっちつかずです。
ミステリとしては先が読めてしまうくらい軽めな内容になっています。

平板というより空虚さを感じる会話と空回りするギャグに白けてしまいました。
また、個性を感じない登場人物たちにどうしても感情移入できず。

鯨さんらしい作風ですが、今回はダダスベリでした。

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阿部智里さん「烏に単は似合わない」 [本☆]


烏に単は似合わない (文春文庫)

烏に単は似合わない (文春文庫)

  • 作者: 阿部 智里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/06/10
  • メディア: 文庫



史上最年少で松本清張賞を受賞したとの作品だそうです。確かにファンタジーとしての世界観は素晴らしい、と思います。

松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作。壮大な世界観と時代設定に支えられた時代ファンタジーをご堪能あれ。
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと表現力、そして予想を覆す意外な結末。
最後まで息をつかせない極上のエンタテイメント!
(「BOOK」データベースより)

途中まではサクサク読めたのですが、途中から失速してしまいました。
なんでこんなに頭に入ってこないんだろう、と首を捻りながら、もたもたと読み進めました。

世界観と基本的なストーリイは面白いです。けれども枝葉に齟齬や、伏線になっていない伏線など粗が気になりました。

また、途中まではあせびの視点だったものが、様々な登場人物の視線になるために混乱しました。多分、これが読み進まなかった要因かと思います。

宮中の物語だと思うんですが、振る舞いとか言葉遣いとかがおおよそ貴族っぽくなく軽さが否めませんでした。

惹句を信じてはいけません。

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村上春樹さん「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 [本☆]


色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: 文庫



村上春樹さん、出版されたら読んでみはしますが、これは…。

多崎つくる鉄道の駅をつくるのが仕事。名古屋での高校時代、四人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、四人から絶縁を申し渡された。
何の理由も告げられずに――。
死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時なにが起きたのか探り始めるのだった。
(出版社HPより)

時が解決してくれる、というのはよく聞きますが、時間を経ることで当時は言えなかったことの真相が明かされるということもあると思います。

親友たちからの突然の拒絶によって心に傷を負った主人公も、十数年後に友人を訪ね歩いて、なにが起こったのかを解き明かしていきます。

そのきっかけとなった出来事についてはファンタジーとしか思えないようなことで、本筋ではないんでしょうけれども、どうにも据わりの悪さのようなものを覚えました。

過去への決別のプロセスのようなものを(個人的に)読み取りました。
過去に向き合うことで捨て去るものがあり、糧となるものを得る、そんな読後感がありました。

しかし、明るい未来が明示されているわけではなく。
まあ、それが現実ではあるんですけれど、でも、それをフィクションに求めたい気持ちは捨てきれず、この物語の中途半端な結末にガッカリしました。

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三崎亜記さん「逆回りのお散歩」 [本☆]


逆回りのお散歩 (集英社文庫)

逆回りのお散歩 (集英社文庫)

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: 文庫



デビュー当初のような魅力が…。

「逆回りのお散歩」「戦争研修」の2短編が収められています。

地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく…。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。
(「BOOK」データベースより)

「逆回りのお散歩」は従来に比べると虚構感が薄いように感じます。リアルさというか生気があるというか。

ファンタジーという空想世界の中で現実世界に起こっているような不条理さを描いた作品が魅力なのだと思います。

それが虚構感が薄れることでリアルさを持ち始め、けれどもリアリティを感じるまでにいかない、そんな読後感でした。

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