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畠中恵さん「たぶんねこ」 [本☆☆]


たぶんねこ (新潮文庫)

たぶんねこ (新潮文庫)




シリーズ12作目ですか。そんなに!?

「跡取り三人」「こいさがし」「くたびれ砂糖」「みどりのたま」「たぶんねこ」の5編が収録されています。

えっ、若だんなが大店の跡取り息子たちと稼ぎの競い合いをすることになったってぇ!? 長崎屋には超不器用な女の子が花嫁修業に来るし、幼なじみの栄吉が奉公する安野屋は生意気な新入りの小僧のおかげで大騒ぎ。おまけに幽霊が猫に化けて……。てんやわんやの第十二弾の鍵を握るのは、荼枳尼天様と「神の庭」!
(出版社HPより)

一時期マンネリを感じていたのですが、ここにきて盛り返してきたように思います。
若だんなが寝込む頻度が減ってきたのか、長崎屋の外に出て、物語の動きが大きくなった印象があります。

外に出る機会が増えた分だけ癖のある人間や傍若無人な小僧も登場し、物語が面白くなりました。
それに対応できる若だんなも大人になったなー、と感慨深いものがありました。

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柴崎友香さん「春の庭」 [本☆☆]


春の庭 (文春文庫)

春の庭 (文春文庫)




らしいといえばらしいです。
が、「これが芥川賞作品かぁ」という印象も受けます。

「春の庭」「糸」「見えない」「出かける準備」の4編が収められています。

第151回芥川賞受賞作。「春の庭」
書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化!
東京世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとは――第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、作家の揺るぎない才能を示した小説集。
二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」)
通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」)
アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」)
電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」)
何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。
(出版社HPより)

芥川賞受賞作ということで興味を持って読んだ人はその日常性にあふれた(というより日常そのものの)ストーリイに戸惑ったかもしれません。
それが柴崎さんの小説の特徴でもあるのですが。

ただ、デビュー作から読んでいると、これらの作品に、なんというか、キラキラしたものを感じられませんでした。
20代の若い男女を描いた作品だと、とりたてて目標もない(ダラダラした)日常であっても、彼らの関西弁の会話の効果もあって、自分がその場にいるような楽しい(でもワクワクほどではない)気分になりました。

それがこの作品では、ただルーティン・ワークとしてその日を送っている、そんな印象を受けました。
登場人物たちの年齢のせいなのか、惰性で暮らしている日々が描かれているのは、読んでいてツライな、と思いました。

住居を変えたり、生活環境を変えたりというシーンもあるにはあるのですが、ブレイクスルーとまではいかないように思え、閉塞感が拭えませんでした。
その先にある「はっきりとした光」を(眩しいものでなくても)見せてほしいと思いました。

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吉田篤弘さん「水晶萬年筆」 [本☆☆]


水晶萬年筆 (中公文庫)

水晶萬年筆 (中公文庫)




不思議な味わいの短編集です。ハマる人はどっぷりいっちゃいそうです。

「雨を聴いた家」「水晶萬年筆」「ティファニーまで」「黒砂糖」「アシャとピストル」「ルパンの片眼鏡」の6編が収録されています。

アルファベットのSと「水読み」に導かれ、物語を探す物書き。影を描く画家。繁茂する導草に迷い込んだ師匠と助手。月夜に種蒔く人。買えないものを売るアシャ。もう何も欲しくない隠居のルパン―人々がすれ違う十字路で、物語がはじまる。流れる水のように静かにきらめく六篇の物語集。
(「BOOK」データベースより)

白山、築地、根津、千住といった場所をモチーフに架空の「十字路のある」街を構築しています。
その迷路感がたまりません。
個人的にあちこちの街で路地裏に入り込んで、道に迷って迷子になって、思いがけない発見を経験しているだけに楽しく読みました。(そういえば、最近迷子になってないなー)

土地鑑のある場所ばかりなので、デジャヴもあり、不思議な設定に異世界に迷い込んだ印象もありました。

リドルストーリーという形式なのかな?結末まで書かれていなく、読者の想像をかき立てるラストが好きです。

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四川担担麺 阿吽の担担麺と黒胡麻担担麺 [お店]

http://szechuan-aun.com/

担担麺と黒胡麻担担麺をいただきました。
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辣油(辛さ)と花椒(しびれ)は選べます。
初心者なので基準の3にしました。

胡麻と辣油と花椒の香りがよくて食欲をそそります。
挽肉、麺の甘みで辛さは抑えられているように感じました。でも痺れはきますね。心地いい痺れです。

担々麺ってあまり食べる機会がないのですが、とても美味しかったです。

ご馳走様でした。

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根津神社に参拝

http://www.nedujinja.or.jp/

1900年以上前に創祀されたという古社です。
広々とした境内は緑も多くて憩いの場にもなっています。
つつじが有名で、つつじまつりの時には人で溢れ返ります。

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表参道から入ります。

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神橋と楼門。

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拝殿。いろんな建物が重要文化財に指定されています。

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北参道の鳥居。

他にも乙女稲荷神社の千本鳥居や駒込稲荷神社もあってゆったりと過ごせます。

お邪魔しました。

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桔梗信玄餅アイス [お店]

http://www.kikyouya.co.jp/products/allyear/32.htm

桔梗信玄餅アイスの通常版とプレミアム版が売っていたので、購入してみました。(今更ですが)

青いカップが通常版。
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赤いカップがプレミアム版。
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プレミアム版はお餅が乗っています。お餅が柔らかくてアイスと絡めるとおいしいです。

どちらもアイスの中も小さなお餅が入っています。アイスはきな粉を混ぜ込んだ風味がします。プレミアム版のほうがきな粉感が強い気がします。
なにより黒蜜が合います。

ご当地和風スイーツとアイスの組み合わせ、まだまだありそうですね。

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川上和人さん「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」 [本☆☆☆]


鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。




小説ではないのですが、なんとも人を食ったようなタイトルに惹かれて読んでみました。
鳥類学者にしておくにはもったいない(失礼)語り口が面白いです。

必要なのは一に体力、二に体力、三、四がなくて、五に体力?! 噴火する火山の溶岩、耳に飛び込む巨大蛾、襲い来るウツボと闘いながら、吸血カラスを発見したのになぜか意気消沈し、空飛ぶカタツムリに想いをはせ、増え続けるネズミ退治に悪戦苦闘する――アウトドア系「鳥類学者」の知られざる毎日は今日も命がけ! 爆笑必至。
(出版社HPより)

作者は小笠原諸島をフィールドワークとする鳥類生態学者です。
噴火したて(?)の西ノ島にも上陸したというからその筋(ってどの筋よ?)の第一人者なのかなと思います。

サブカルをたくさん混ぜ込んだ小ネタ満載、ユーモアたっぷりの文章は下手な作家さんより面白いです。

それだけでなく、キョロちゃんを題材にした分類学や外来生物による生態系の破壊問題、なにより驚くべき鳥の飛翔能力が紹介され、鳥学の入門書としての魅力も満載です。
身近にいる鳥たちですが、知らないことだらけだと気づきました。

惜しいのは、カラー写真付きでないことです。各章の初めにイラストがついているのですが、白黒。(アカガシラカラスバトを「美しい鳥」と紹介しておいて、イラストには「白黒バージョン」と補足説明が ^^;)
豪華版の出版を望みます。

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三崎亜記さん「逆回りのお散歩」 [本☆]


逆回りのお散歩 (集英社文庫)

逆回りのお散歩 (集英社文庫)




デビュー当初のような魅力が…。

「逆回りのお散歩」「戦争研修」の2短編が収められています。

地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく…。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。
(「BOOK」データベースより)

「逆回りのお散歩」は従来に比べると虚構感が薄いように感じます。リアルさというか生気があるというか。

ファンタジーという空想世界の中で現実世界に起こっているような不条理さを描いた作品が魅力なのだと思います。

それが虚構感が薄れることでリアルさを持ち始め、けれどもリアリティを感じるまでにいかない、そんな読後感でした。

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安部龍太郎さん「レオン氏郷」 [本☆]


レオン氏郷(うじさと) (PHP文芸文庫)

レオン氏郷(うじさと) (PHP文芸文庫)




惹句を見て、そういえば蒲生氏郷って詳しいことを知らないなぁ、と思って読んでみました。
なんだか肩透かしでした。

織田信長が惚れこんで、その娘婿となり、その薫陶を受けて成長した蒲生氏郷。近江の麒麟児から、会津百万石の太守となった戦国武将である。
世界とわたり合える国をつくるために天下統一を急ぐ信長の下、活躍を続ける氏郷だったが、長島一向一揆での惨劇を目にして心が大きく揺らぎ始めた。そして本能寺の変が……。
茶人やキリシタンとしても知られる氏郷には、その器量を畏れた豊臣秀吉が毒を盛ったとの説もある。その謎を解き明かすとともに、著者独自のグローバルな視点から蒲生氏郷の人生を骨太の筆致で描く。
直木賞受賞作となった『等伯』と並行して書かれた長編力作。
(出版社HPより)

蒲生氏郷の魅力が伝わってこなかったです。
信長に見出されて娘婿になったことや秀吉に重用されたことなど、主を惹きつける魅力や飛び抜けた才能といったものがあると思うのですが、その根幹部分が伝わりませんでした。

後半部で秀吉に遠ざけられたことや、会津領の奪回を目論む伊達正宗との心理戦は読み応えがありましたが、南東北の要衝の地である会津40万石(最終的には90万石)を与えられた功績がはっきりしないために氏郷の力量のイメージが追い付いてこなかったために小ぢんまりとした印象でした。

むしろ、終幕の秀吉の述懐がリアルすぎて主人公を喰ってしまっているように感じました。
そう考えると氏郷がキリシタンに帰依したことについての物語上の意味がわからなくなってきます。

純粋で誠実で理想主義だったことが裏目に出たのだろうか。人たらしで有名な秀吉の奸智に丸め込まれ、呑み込まれたとしか思えません。戦国時代にそんな武将がいたとは思えないのだけれど。

後書きで氏郷の死因が毒殺だったとする記録が見つかったと書いていたが、それありきで物語を構築しただけのような印象を覚えました。


それにしても、甲賀の忍びで鉄砲の名手という三左衛門の使われ方が都合よすぎる。。。

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川端裕人さん「雲の王」 [本☆☆☆]


雲の王 (集英社文庫)

雲の王 (集英社文庫)




気象という大自然を相手にした壮大なファンタジーです。夏に入道雲を見ながら読みたい作品です。(あいにく関東は雨続きですが)
川端さんならではの要素が満載です。

気象台に勤務する美晴は、十代の頃に事故で両親を亡くし、今は息子の楓大と二人暮らし。
行方知れずの兄からの手紙に導かれ、母子はある郷を訪れる。
そこで出会ったのは、天気と深く関わり、美晴の両親のことも知っているらしい郷の住人たち。
美晴たち一族には、不思議な能力があるらしい。
郷から戻った美晴は、ある研究プロジェクトに参加するが……。
一族がもつ能力とは? 彼らが担ってきた役割とは?
「空の一族」をめぐる壮大なサーガ、開幕!

ゲリラ豪雨やスーパー台風、爆弾低気圧といった破壊力のある気象現象が増えていると実感しているだけに、時期を得た作品ではないでしょうか。

人工的に雨を降らせるという科学技術は知っていましたが、台風被害を抑えるために上陸ルートに乗らないように「あえて」台風を発生させたりする研究が行われていることは知りませんでした。

気象という科学的知識や技術を物語の中に落とし込んで、わかりやすく表現するだけでなく、「気象を読む」ことができる一族を登場させることで物語に面白さが生まれるように思いました。
この辺りは川端さんの真骨頂ですね。

強大な自然に対して、ちっぽけな存在である人間が知恵と知識でどう乗り切るか、壮大な物語を堪能しました。

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