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辻村深月さん「鍵のない夢を見る」 [本☆]


鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見る (文春文庫)




第147回直木賞受賞作だそうです。僭越ですが、評価ポイントがよくわかりませんでした。。。

「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」の5編が収録されています。

誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行--日常に倦んだ心にふと魔が差した瞬間に生まれる「犯罪」。
現代の地方の閉塞感を背景に、ささやかな欲望が引き寄せる奈落を鮮やかにとらえる短編集。ひとすじの光を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す著者の筆が光る傑作。
(出版社HPより)

うーん、まるで共感できませんでした。

地方で暮らす女性が感じる様々な閉塞感がひしひしと伝わってきて、どうしようもなく「犯罪」に走ってしまう過程はわからなくはないのですが、登場人物の誰にも共感できず、それゆえに物語に没入できませんでした。
救済も希望もなく、モヤモヤする読後感に囚われます。イヤミスの部類に入るんでしょうか。

それでも読んでしまうのは辻村さんの力量なんでしょうね。


なかでも「君本家の誘拐」は切迫感、焦燥感がひりひり伝わってくるようでした。なんか、すごい。

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東野圭吾さん「疾風ロンド」 [本☆]


疾風ロンド (実業之日本社文庫)

疾風ロンド (実業之日本社文庫)




テレビの2時間もののサスペンスドラマを見ているようなゆるーい、緊張感のない物語でした。

強力な生物兵器を雪山に埋めた。雪が解け、気温が上昇すれば散乱する仕組みだ。場所を知りたければ3億円を支払え―そう脅迫してきた犯人が事故死してしまった。上司から生物兵器の回収を命じられた研究員は、息子と共に、とあるスキー場に向かった。頼みの綱は目印のテディベア。だが予想外の出来事が、次々と彼等を襲う。ラスト1頁まで気が抜けない娯楽快作。
(「BOOK」データベースより)

白銀ジャック』の続編ともいうような位置づけです。
「白銀ジャック」にも登場していた根津昇平と瀬利千晶が引き続き活躍します。

しかし、どこか締まりがないように感じるのはなぜ?
キャラクターの平板さなのか、起伏のないストーリイなのか。

スキー場に赴く栗林という研究員が『ガリレオ』シリーズの栗林助手と同じ名前なのはサービスでしょうか。『ガリレオ』シリーズでのキャラクターを思い出してしまって却って緩みます。


映画が公開されるようですね。
「笑撃サスペンス」って、そういう方向で行くんだ。
個人的な印象ですが、キャストがイメージと違う…。
http://www.shippu-rondo-movie.jp/

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河野裕さん「その白さえ嘘だとしても」 [本☆]


その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)




階段島シリーズ第2弾です。青春ミステリという括りかなぁ?

クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。
(出版社HPより)

魔女の正体が明らかになります。やっぱりね、という思いがありつつも、なんか納得いかないし、謎がすべて解明されたわけでもなく、モヤモヤ感が残りました。

いくつかのサブストーリイが並行して進むのですが、特徴なのか狙いなのか淡々として盛り上がりに欠ける印象です。
内省的というには物足りない感じです。

キャラクターは好きなんですけどね。


「トン汁」はないよなぁ。意図的なのか誤植なのか、どちらにしても白けてしまいます。

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河野裕さん「いなくなれ、群青」 [本☆]


いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)




ミステリだと思っていたんですが、なんだろ、これは。青春観念小説とでもいえばいいんでしょうか。ファンタジーでもSFでも、もちろんミステリの要素もあるのですが、逆にそのどれでもありません。う~む。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凜々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
(出版社HPより)

導入部が長い。これで挫けそうになりました。

どうやら「階段島」という隔絶された離島が舞台のようで、その島に来た人たちは全て「気が付いたら」島に居たという設定のようです。
彼らはなにかを失くしてしまっていて、そのなにかにたどり着いて、失くしものを探し出すことができたら島から出られるらしいです。それなくして島を出ることはできなくて、生活物資を積んだ船で密航しようとしても潮流に阻まれる仕組みが働いているようです。
魔女がこの島を支配しているという噂があるって、突飛すぎるし。

また、語り手の七草の思考がわかりづらさが挫けそうになる気持ちに拍車をかけました。
読んでいくうちに、「ああ、だからなのか」と理解はできましたが、すんなりと腑に落ちるまではいきませんでした。
設定ありきの描写はどうなのかなー、ということが気になりすぎたのかもしれません。

それだけに結末に至っても「ああ、やっぱりね」という感想で、それ以上のものを得られませんでした。
なんか残念な作品でした。

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梅田みかさん「書店員の恋」 [本☆]


書店員の恋 (日経文芸文庫)

書店員の恋 (日経文芸文庫)




タイトルに惹かれて読んでみましたが、タイトルに騙された感じです。

渋谷の大手書店チェーン店に勤める二十六歳の今井翔子は書店員の仕事を心から愛している。そんな翔子には一流のシェフを目指す恋人がいるが、現在はファミレスのアルバイトで、仕事は忙しく、すれ違い気味。そんな折、翔子は、ベストセラー作家となった歯科医師と出逢う。二人の男性の間で揺れる翔子の想いは……多くの読者に共感された、珠玉の恋愛小説。
(出版社HPより)

ありきたりなテンプレートに沿って書かれたありきたりな恋愛小説という感想の域をでません。

書店員が主人公ですが、大崎梢さんの作品ほどのリアリティを感じませんでした。(いや、大崎さんが出版業界の裏の裏までリサーチして、知り尽くしているというべきでしょうか)

また、フレンチの店を持ちたいという夢を持ちながらファミレスの厨房で働く大輔のスタンスに「?」と思い、それを後押しできない翔子にも「?」と思いました。
自分の夢を持ちながらも具体的な行動に移せない恋人と、その恋人に対して強くプッシュできない主人公って「なんなの?」と苛立ちを覚えたりもしました。

サラリとした読み心地はいいですけどね。

テレビドラマ化するには格好の原作かもしれません。

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太田 忠司「偽花 探偵・藤森涼子の事件簿」 [本☆]


偽花 (実業之日本社文庫)

偽花 (実業之日本社文庫)




シリーズ7作目だとは知らずに読んでしまった。

「石楠花の詞」「金木犀の徴」「夾竹桃の焔」の3編が収録されています。

名古屋・千種駅に程近いビルの一室に、探偵事務所を構える藤森涼子。所員は、女性ばかり。ITに強い美紀、ファッションはロリータ系ながら鋭い洞察力を持つ綾、得意の変装で尾行する年齢不詳の李理亜。尾行中、ひったくり現場に遭遇した涼子たちは、犯人を追いかけ捕まえるが、被害者の男は犯人を逃がせと訴え…(「石楠花の詞」)。全3話を収録するシリーズ最新刊。
(「BOOK」データベースより)

女性だけの探偵事務所ですが、その特徴というものが表れていないように思いました。
確かにそれぞれに得意分野はあるものの、それが特徴的かというと、そうは感じられませんでした。

早々に犯人の目星がついてしまったのが残念でした。

遡ってシリーズを読んでみようか、どうしようか。。。

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中村航さん「僕らはまだ、恋をしていない! 3」 [本☆]





シリーズ3作目です。2作目まで読んだので、最後までお付き合いしようと思いましたが…。

川瀬真一と高坂アキラの約束の地・延生山で、サバイ部の面々を待ち受けていたのは数々の難関だった。特殊技能で対決を挑んでくる「門番」たち、謎めいた言葉を残しては姿を消す長い黒髪に黒い制服の女、姿を見せず地の底から響くような声で語りかけてくる男……。どうやら三十年前のバス事故とかかわっているらしいこの〝闘いと冒険〟の世界の中で、アキラは真一に言う。お前と一緒なら、悲しいことだって、辛いことだって、きっと半分だろ──。大好評シリーズ、いよいよ感動の大団円!!
(出版社HPより)

ファンタジーというか、RPGというか、どうも世界観が合わなかったです。

また、伏線の回収や動機づけといったところの説明はまとまってはいるものの、高校生とは思えない登場人物たちや赤面ものの地の文がどうしても合いませんでした。

中村さん、どうした。

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青山七恵さん「花嫁」 [本☆]


花嫁 (幻冬舎文庫)

花嫁 (幻冬舎文庫)




とても読みやすく、意外性もありつつ、「家族とは」を問いかけるものでしたが、どうも相性が合わなかったようです。

長男が結婚することになった若松家には、不穏な空気が流れている。妹は反対し、父は息子を殴り、母は花嫁に宛てて手紙を書き始めた。花嫁の訪れをきっかけに、仲良し家族の仮面が次第に?がれていく。愛が契約に、兄妹が男女に、家族が単なる集団に反転し、最後に残るものとは? 信じていたものに裏切られ衝撃に襲われる、恐るべき暴走家族小説。
(出版社HPより)

ひとつの集団としての家族に、嫁(あるいは婿)入りすることは「異分子(さらにいうなら「異物」)」な存在であり、波風が立たないわけがないのですが、この物語は予想をはるかに超える大津波が発生します。
惹句通りに暴走小説と呼ぶに相応しいと思います。

ただ、個人的好みとして、相性が合わなかったです。
気持ち悪さ(というより、キモい、というほうが感覚として近い)が拭えませんでした。

妹、兄、父、母の順番で4章を語り分けるのですが、語り手でなくなった途端にそれまでの存在感がなくなってしまうように思えます。

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中村航さん「僕らはまだ、恋をしていない!Ⅱ」 [本☆]





シリーズ1作目と最終巻(3作目)をつなぐ「だけ」の、なんともはや意図の見えない作品です。

高校に入学早々、活動内容がさっぱりわからない「サバイ部」に入部した川瀬真一。部長にして幼なじみの高坂アキラが珍しく登校しなかったことに不安を覚え、大雨の中、二人の思い出の延生山へと向かった。七年前に果たせなかった“大切な約束”を果たすために――。無事に再会し、約束の地で“闘いと冒険”の旅に出た彼らが目にしたのは、謎の「門」とそれを守る「門番」の少年や少女たちの姿だったが……。笑いと涙の学園&相棒小説シリーズ、甘酸っぱさ全開の第二弾!
(出版社HPより)

前作からの流れ、登場人物の説明等一切ナシ。半分くらいまで読んで、やっと思い出しました。

「一の門」「二の門」とか、その門での対決だけが描かれます。ゆるいRPGかバトルゲームのようです。

さらに、主人公の真一の語る即興物語にまるで興味が持てません。

困ったな…。もう読まなくてもいいかな…。

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石持浅海さん「トラップ・ハウス」 [本☆]


トラップ・ハウス (光文社文庫)

トラップ・ハウス (光文社文庫)




特異なクローズド・サークルを作り出して、外部の力を借りずに論理だけで謎を解決するという石持さんの特徴がよく出ている作品です。

大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊のキャンプを計画した男女9人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなか1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのは、いったい誰か? 果たして生きてここから出られるのか? 本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作!
(出版社HPより)

今度の仕掛けはトレーラーハウスですか。。。普段見かけないだけに着眼点が面白いです。
けれど、『ブック・ジャングル』でも思ったんですが、緊急時であれば、いくらでも脱出手段はあると思うんですよね。
冷蔵庫の件もそうですが、なぜ、そこに気付かないのかなー、と不思議に思います。

さすがに犯人探しの論理は筋道立っているのですが、さすがにそれだけで満足もできず。
仕掛けられたトラップの数々も(犯人の目的が目的だけに仕方ないとはいえ)緊迫感を引き起こすものでないこともあってイマイチ引き込まれませんでした。

登場人物の個性というか魅力というか、そういったものもあまり感じられなかったです。

クローズド・サークルだけでは厳しいなぁ、と思いました。

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