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冲方丁さん「光圀伝」 [本☆☆☆]


光圀伝 (上) (角川文庫)

光圀伝 (上) (角川文庫)




光圀伝 (下) (角川文庫)

光圀伝 (下) (角川文庫)

  • 作者: 冲方 丁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/06/20
  • メディア: 文庫



天地明察』があまりにも面白く、感動したので、こちらも手に取ってみました。
水戸黄門様の生涯を描いた本作品も期待を裏切ることのない出来栄えです。

なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。
(出版社HPより)

時代的には徳川幕府第3代の時代に武断政治から文治政治への移行する転換期ということで、光圀が果たした役割は大きかったようです。

幼少期から始まって、やんちゃな青年期を経て、水戸藩主となってからは人が変わったように思慮深くなります。
その時々で出会う人によって人生が変わる(なかでも宮本武蔵の登場には意外性がありました)様子がうまく描かれていました。
そして詩歌への熱中を経て『大日本史』の編纂へ。

並行して描かれるのが、三男だった光圀が水戸藩主となったことへの反問です。出生上の理由があったとしても暗愚でない長男を差し置いて後継となることへの複雑な心境が時々の光圀の行動に表れます。

また、冒頭の光圀の手記に出てくる「余が殺めた男」とは誰なのか、なぜ殺したのかという謎もあり、単なる歴史小説ではない(でもミステリではない)面白さがあります。

泰姫の臨終のシーンははからずも泣いてしまいました。公共の場でなくてよかった…。

実に読み応えのある物語でした。

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