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山本兼一さん「花鳥の夢」 [本☆☆☆]


花鳥の夢 (文春文庫)

花鳥の夢 (文春文庫)

  • 作者: 山本 兼一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/10
  • メディア: 文庫



安倍龍太郎さんの『等伯』と比べて読んでみると面白いかもしれません。

天才絵師・狩野永徳の恍惚と不安。稀代の名作『洛中洛外図』を描き、時代を席巻した永徳。―あの男は、どうしておれを苛立たせるのか。長谷川等伯への嫉妬に身悶えしながら、画境の極みを目指す。絵師の業を極限まで描く、傑作長編。
(「BOOK」データベースより)

室町時代から始まり多くの門人を抱える狩野派の総帥という立場と、天才絵師として何事にも縛られずに筆を振るいたい衝動との間で苦悶する狩野永徳。
かたや能登から体一つで上京してきて、己の才能のままに躍動的な絵を描く長谷川等伯。
老舗の跡継ぎと、ベンチャー企業の創業者の対比のようだと思いました。

永徳の等伯に対する嫉妬は狩野一門をもって様々な因縁をつけ、嫌がらせに走らせることになるのですが、そこには等伯の妻に対する永徳の想いが隠れているという作者の創作が、永徳の人間らしさを浮かび上がらせているように思います。

それにしても永徳が傾注した作品が安土城や大坂城だったというのは、とても残念です。


安土城のシーンで『火天の城』の主人公の岡部又右衛門が登場します。カメオ出演?

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