So-net無料ブログ作成
検索選択

梨木香歩さん「雪と珊瑚と」 [本☆☆☆]


雪と珊瑚と (角川文庫)

雪と珊瑚と (角川文庫)




ファンタジー作品の多い梨木さんには珍しい現代ものです。
ドラマ化を狙ったようなストーリイに違和感を覚えつつも、癒されたいという気持ちが物語にどっぷりと浸かってしまいました。

家庭の金銭的な事情で高校を中退し、以降、親にも頼らず家を出て自力で生活。20歳で結婚し、1年そこそこで離婚した山野珊瑚は、21歳のシングルマザー。生まれたばかりの子ども・雪を預ける場所も、働く環境もなく、途方に暮れていたところ、一人の女性・くららと出会う。そこから珊瑚は、人を元気にする「食」の力に気づかされ、様々な人との出会いに支えられ、心にも身体にもやさしい、総菜カフェをオープンさせることになる─。主人公の珊瑚を通じて、生きることのたくましさ、人のやさしさ、人生の機微を描いた心温まる珠玉の物語。

有機野菜を使った手作り惣菜のカフェ、しかも手つかずの保護樹林の中にあるお店ときたらそれだけで行きたくなってしまいます。入り浸りたくなってしまいます。

一人娘の雪を抱えて一人誰にも頼らずに生きていこうとする珊瑚に、くららをはじめとする周囲の人々が温かい手を差し伸べます。躊躇いながらその手を掴む珊瑚。
シンプルなストーリイなんですが、やっぱり心が温まります。

けれども、ただ甘ったるいだけの物語ではなくて、珊瑚の姿勢を「こきおろす」美知恵の手紙は、第一印象と相性とでバイアスがかかったものであるけれども、それもまた他人からみた一面であることは確かで、物語に深みを与えてくれます。

また、くららが珊瑚に教える素朴な料理の数々が魅力的です。

ただ、主人公の「都合のいい」ように進んでしまうのは残念でもあります。ページ数の制約があったとしても。


今年一年お付き合いくださいまして、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。

nice!(19)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 19

コメント 1

ネオ・アッキー

あけましておめでとうございます。
本年も相変わらずご厚情の程、よろしくお願い致します。
by ネオ・アッキー (2017-01-03 05:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。